漢方薬のこと

春の養生法

早いもので、もう3月。

だんだんと暖かくなり、お花見などのイベントが楽しみになりますね^ ^

その一方で、春は新しい出会いや別れなどの変化が多く、ストレスを感じやすい季節でもあります。

なんとなくイライラする、ぐっすり眠れない…そんな不調を感じたことのある方も多いのではないでしょうか?

東洋医学の陰陽論では、春は「陰」が主役の冬から「陽」が主役の夏に向け、どんどん陽気が高まっていく季節。気の流れが、内向きから外向きに変わっていきます。

また五行説では、春は「肝」と関わりが深い季節。「肝」は、感情のコントロールや血液循環を調節している臓です。

陰陽五行説の特徴から考える”春を気持ちよく過ごすための養生法”を3つご紹介しますね。

ストレスを上手にコントロールする

春の気候は変わりやすく、暖かくて上着がいらない日もあれば、真冬に逆戻りの日もあります。寒い日にちょっとぐらい大丈夫と思って薄着でいると、身体はストレスを感じます。ストレスは心の負担だけでなく、身体に負担がかかった時にも感じます。春を先取りしておしゃれしたい時も、温かいインナーなどを活用し、身体に負担をかけないようにしましょう。

また、春は暖かく活動的になって色々なことにチャレンジしたくなる季節ですが、気持ちが先走って身体や心のストレスに鈍感になり、無理をしがちです。そんな季節だからこそ、毎日の生活を大切にし、意識してゆったりとリラックスする時間をとりましょう。

「出す」ケアを心がける

漢方では、春は、寒い冬の間に溜まったものを身体の中から外へ出す季節と考えます。花粉症で鼻水やくしゃみが出たり、吹き出物や湿疹が出て肌荒れしやすいのも、冬の間に体内に溜まった余分なものを、外向きの力によって体外に出していると考えられます。この自然の流れに逆らわず、身体の中に溜まっているものを「出す」というケアを心がけましょう。例えば適度な運動や入浴で汗をかく、便通を整える、感動の涙を流す、感情を押さえ込まずに発散させる、などがおすすめです◎

旬の食材や香りの良い食材を摂る

五行説では、春は「肝」と関わりが深いとお話しました。

「苦味」の食材は肝の高ぶりを鎮め、「酸味」と「甘味」のある食材は肝の働きを助けると言われます。香りの良い食材は、気の巡りを良くします。つまり、苦味のあるもの、酸味と甘味のあるもの、そして香りの良いものは、春の不調を和らげると考えます。

春に旬を迎える食材は、これらの性味のものが多いですよね。食卓にも春を呼び込み、旬のものを積極的にとりましょう!

食材の例

苦味の食材ふきのとう、ふき、たけのこ、菜の花、タラの芽、わらび
酸味と甘味の食材いちご、さくらんぼ、キウイフルーツ、ヨーグルト
香りの良い食材セロリ、三つ葉、せり、柑橘類

ちょっとした心がけで、春の不調が和らぎ、過ごしやすくなるので、ぜひお試しください^ ^

あまりストイックになると、それがストレスになるので、生活に取り入れやすいものから始め、気持ちよく春を過ごしましょう♪

藤村 綾子

藤村 綾子

薬剤師

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